大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会システムから持続可能な社会への転換が進展する中で、工場やその跡地等において有害物質等による土壌・地下水汚染が顕在化し、大きな問題となっています。
このような背景から、平成4年12月に土壌・地下水汚染問題に関心を寄せる企業が「土壌環境浄化フォーラム」を設立し、対策技術の向上、欧米諸国の制度や事例の調査・研究による知見の充実、知識の普及等の活動を展開してまいりました。
その後、土壌・地下水問題に寄せられる関心や社会的ニーズに応えるべく、土壌・地下水汚染の回復の推進を図り、もって国民の健康の保護及び生活環境の保全に資することを目的に、土壌・地下水汚染問題に係る我が国唯一の公益法人として「社団法人土壌環境センター」が平成8年4月に設立されました。平成25年には「一般社団法人土壌環境センター」に移行し、現在に至っています。
我が国の法制度については、地下水汚染対策が水質汚濁防止法に盛り込まれた後、「土壌・地下水汚染に係る調査・対策指針」および同運用基準の策定を経て、平成15年2月に、土壌汚染の状況の把握、土壌汚染による人の健康被害の防止に関する措置等の土壌汚染対策を実施することを主な内容とした「土壌汚染対策法」が施行されました。
土壌汚染対策法はその後2回にわたって改正され、対策の充実が図られています。土壌環境センター会員を対象に行った調査によれば、法施行に伴い、土壌汚染に係る調査や汚染対策事業が着実に行われていることが数字の上にも表れています。
今後も、浄化技術やリスクコミュニケーションなどハード・ソフトの両面から本格的・統一的な土壌・地下水汚染問題への取り組みが求められています。
土壌環境センターは、産・官・学の英知を結集し、健全な土壌・地下水環境の創造のために、積極的な活動を展開していきます。