第6回 地下水・土壌汚染とその防止対策に関する研究集会報告



 平成10年9月17・18日立正大学において、日本地下水学会・(社)日本水環境学会主催(なお(社)土壌環境センターは事務局として協力)のもと「第6回 地下水・土壌汚染とその防止対策に関する研究集会」が開催された。参 加者は2日間共500余名と非常に数多く、関心の高さがうかがえた。

 会場では、産・官・学の多分野の研究者や関係者から、油類・重金属類・有機塩素化合物類・硝酸その他汚染物質の調査・対策に関し、総数85件と数多くのテーマについて発表があった。

 各発表者は持ち時間3分間の中で、OHPにより研究目的や概要その結果を報告すると共に、別室の各ポスターセッションにおいて、参加者と間近に研究内容を説明、活発な意見交換を行った。

 発表テーマ多数のため、発表者の持時間が制限されるなかで、わずか3分間に要領よく研究内容を伝えるのは至難のことで、聴講者も発表者の意図を理解するのに戸惑っていた。しかし、ポスターセッションにおいては、広い会場での質疑応答とは異なり、発表者側・聴講者側のいずれにも好評で、緊密な意見交換や応答・名刺交換が行われた。事実、ポスターセッションでは、個々のテーマへの関心の高さもあり、施工事例などを報告した秦野市、調査事例を報告した福岡県や福岡市、並びに新しい調査方法や有害物質の分解技術を紹介したポスターの前では多数の人が集まり、活発な質疑がなされていた。

 一日目の研究発表やポスターセッションに続き、二日目の午前中は特別セッションとして4人の講師により「環境ホルモンと土壌・地下水汚染」を主題とした講演がなされた。講演内容は、今後の環境問題の大きな研究課題として、緒についたばかりの環境ホルモンの歴史的背景や生命体への影響(井口秦泉氏・横浜市立大学)、環境ホルモンの種類や一般性状と土壌・地下水中での挙動(中杉修身氏・国立環境研究所)、環境庁の取り組み状況や今後の対応方針としてSPEED '98JEAの概要(小林秀幸氏・環境庁)、代表的なPCBやダイオキシンの化学的分解技術(細見正明氏・東京農工大学)等の報告があった。

 85件の発表テーマを汚染物質毎に分けると有機塩素化合物関係47%、重金属関係16.5%、硝酸・亜硝酸関係13%その他23.5%と、今後さらに顕在化してくるであろう有機塩素化合物関係が全体の半分近くを占めていた。また調査・分析・診断と浄化対策に大別すれば、前者が54%、浄化対策46%と地下水・土壌汚染対策における調査・分析・診断の重要性や関心の高さを物語っている。発表者を官庁関係・大学関係・産業関係で見ればそれぞれ14.1%、30.6%、55.3%と産業関係の発表者が半分以上を占め、調査・診断・浄化対策の研究や施工事例が報告されていた。