OSHA講習会開催報告

広報・教育委員会 
当委員会の資格制度・教育内容等調査研究部会が2年間にわたり検討し、国内の公的機関で初めて行うOSHAの講習会が3月23〜28日の6日間にわたり大井町の『きゅりあん』にて行われ、年度末の繁忙期にかかわらず35名の受講者が出席し、熱心に受講した。
OSHAとはOccupational Safety and Health Administration(米国職業安全及び保健管理局)という機関の略称であり、またOSHA 29CFRという安全衛生に関する規則でもあり、有害物質を取り扱う現場での作業を行う場合にはOSHAの講習を受講した者でなければならないと定められている。
すなわち、米国の土壌汚染浄化は強制力を持った法制度のもとにすすめられている。日本の場合を考えるとこれに類する事項の管轄は、厚生省・労働省・環境庁・通産省と広きにわたるが、米国は米国職業安全及び保健管理局に絞られ進められている。
この制度は、現場で直接作業をする者から、管理・設計する者まで全て必要で、その作業内容により40時間・24時間・16時間・8時間と別れている。それぞれに年度更新が必要だが、今回は最も一般的な40時間コースを行った。
日本の土壌浄化事業に資格・教育制度導入を検討する当委員会にとって、汚染浄化技術が進み、法制度が最も進んでいると思われる米国で行われているこの制度が、労働安全、技術水準の確保、環境への配慮という観点で、検討結果に最も近いイメージであった。実行に当たっては部会が中心となって講師をオーストラリアから招き、テキスト翻訳、通訳選択などを行い、日本語による初の講習会を実施する運びとなった。

講習会の概要は、

[日 程]  [内 容]

3月23日 上級救命・救急講習  (東京救命・救急協会による)

24日 OSHA講習 関連法規、有害危険性、毒性

25日   〃  熱ストレス、騒音、閉鎖空間、現場安全計画及び関連活動

26日   〃  標準作業規定、個人用防護具、除染、実習

27日   〃  放射線、モニタリング機器、掘削、電気、安全衛生計画

28日   〃  ケーススタディ、認定試験(82問、90分)

  

講習は23日がPM17:00、28日がPM14:00までを除き、4 日間は9:15〜20:15までと10時間の講習とハードで、ビデオ・モニタリング機器・酸素ボンベがついた自給式呼吸器等を持ち込み、実習(写真)も行われた。

現在までのところこの講習を受けるには、米国へ行き1週間余り滞在し、講習を開いている機関で、英語で受講しなければならない。今回の講習は部会活動の一環としてセンターが一部費用負担をしたため、渡航費用等を考えると今回の受講料は破格ではあるが、受講者の皆さんが、日本の土壌汚染浄化事業での労働安全、技術水準の確保、環境への配慮を実践するための先鞭となっていただけることを期待しております。