広報分科会よりのメッセージ



  今年の夏は、沖縄県の興南高校が春夏連覇を遂げて終わった、と思ったら、それから後の残暑の厳しいこと。9月に入ってもその暑さは衰えることを知らないようです。暑さの中で、夏草だけが妙に生き生きとして見えます。しかし、このように特定の生物種だけが突出して栄える状況というのは、決して正常な状況ではないのでしょう。
  今年は、国連が定めた国際生物多様性年ということで、全世界で様々なイベントが開催されています。生物多様性という言葉の定義は様々あり、解釈も難しいところですが、地球の豊かさのひとつの指標と捉えれば理解しやすいのではないでしょうか。一度失われた種・遺伝子・生態系は、二度と元には戻らないのです。
  翻って考えると、日頃私たちが格闘している土壌中にも一連の生態系が存在しています。土壌の汚染行為はもとより、浄化修復という名のもとに行われる諸行為でさえも、生物多様性の喪失を助長している可能性があります。
  地球の豊かさを失わないためにも、私たちは常に謙虚な姿勢でその技術力を行使していく必要がある、炎暑の中で考えたことでした。
(広報・教育委員会 広報分科会)