編 集 後 記

  今年の夏は、ベタという小型の熱帯魚の生態をつぶさに観察する機会を得ました。ベタ(Betta:闘魚)はメコン川流域原産の淡水熱帯魚で、オスの多彩な色調と長いヒレが美しく、人気があるとか。水質の悪化に強く、また空気呼吸もできるため、夏は手軽に飼育できます。
  ただ、闘魚というだけに気性が荒く、オス同士では激しく威嚇・攻撃するため、いつもは1匹だけで水槽内を寂しく泳いでいます。一方で、オスは水面に泡で浮き巣を作り、メスがそこに産卵すると、泡の巣から落ちてしまう卵や幼魚をくわえて巣にもどす行為を繰り返します。
  じっと眺めていると、その一生懸命な姿からは、可笑しさとそして一抹の悲しさが漂うのです。
(広報・教育委員長  荒井 正)