広報分科会よりのメッセージ



  日本中に衝撃を与えた、「ギョーザ中毒事件」が発生してから一ヶ月以上が経過した。千葉と兵庫で中国製の冷凍ギョーザを食べた人が有機リン系殺虫剤「メタミドホス」によるものとされる中毒症状を引き起こした事件である。その後、別の殺虫剤も確認され、その混入経路については、ギョーザをつくった中国と被害が起きた日本の間で、未だ混迷を深めるばかりで、原因究明の目に見える進展がない。長引けば日中関係に影響を与える大きな問題にもなりかねない状況である。
  そして何よりも、一般の消費者の間には、冷凍食品への不安が広がり、さらに他の中国製輸入食品への不信感も高まっている。このところの物価上昇もあり、食生活全体への不安感に拍車を掛けている。
  今や中国産の食材が浸透している日本の食環境の中、私たち消費者の食に対する不安を解消するためには、一刻も早い原因の究明と十分な情報開示が欠かせない。
  住環境のベースとなる土壌・地下水の汚染問題についても、人々が安心して生活していく上でのリスクコミュニケーションの重要性について、一人のリスクコミュニケーターとして改めて再認識させられる。