編 集 後 記

  東京国立博物館に一木彫(いちぼくちょう)の仏像展を見に行ってきました。一木彫とは頭部から台座まで仏像のほとんどを一本の木から彫り出す技法です。古来日本人はあらゆる自然の中に神の存在を認めており、一本の木の中にも神の姿を見出したということが納得できるような展示会でした。大小70体ほどの仏像の中で、白眉は滋賀・向源寺の国宝十一面観音菩薩立像でした。平安時代9世紀の作で、すらりとした肢体といい表情のやさしさといい、その完璧な造形にしばし時を忘れて見入ってしまいました。なんとも至福の時でありました。
(広報分科会  荒井 正)