土壌・地下水環境展 技術セミナー報告

  9月29日(水)より10月1日(金)までの3日間、東京ビッグサイト(東京国際展示場)東展示ホールにおいて「2004土壌・地下水環境展」が開催されました。この展示会は、日刊工業新聞社と当センターの共同主催で隔年に開かれており、今回は「土地有効活用のための環境ソリューション」をテーマに、97社・団体が出展しました。
 2003年には日本工業新聞社と当センターの共催で、別途「土壌・地下水浄化技術展」が開催されており、2002年の土壌汚染対策法の成立以降は3年連続の展示会となりました。入場者数は2002年が3日間合計で26,009名、2003年は26,120名と年々増加し、今年度は一挙に29,225名を数えました。当センターのブース来場者も3日間合計で609名に達しました。
  また、展示会2日目の9月30日午後には当センター主催の「土壌・地下水環境展技術セミナー」が開催されました。9編の講演に200名近い参加者があり、盛会となりました。会員企業からの参加者に加え、94名の一般参加者があったことが特筆されました。
  本セミナーは、「技術ニュース(第7、8号)」に掲載された報文の中から講演者が選ばれ、論文掲載以降に得られた新しい知見等を含めて発表されました。セミナーの資料集も技術ニュースに掲載されたオリジナルの報文に、講演スライドの縮小版が添付されるなど、工夫がされており、講演者には多くの質問が寄せられました。
  講演者と表題ならびに講演内容の要約を下表にまとめます。紙面の都合上、詳しい内容については技術ニュース掲載の報文を参照してください。
2004土壌・地下水環境展

技術セミナー

講 演 者
表 題 と 講 演 内 容 の 要 約
石田 浩昭
栗田工業(株)
<塩素化エチレン分解に関与する微生物の解析および検出>
 分解に関与する細菌の16S rDNAの塩基配列を決定した。本検出法はバイオスティミュレーションの可否判断に利用できる可能性がある。
平野 嘉隆
応用地質(株)
<硫化鉱物中含有土のバクテリアによる酸化溶出について>
 バクテリアが関与した硫黄や重金属の酸化溶出による可能性を判断する場合には、通水期間を十分にとる必要があることが確認された。
尾崎 哲二
国際航業(株)
<浚渫土による埋立地の砒素汚染の由来について>
 浚渫土の由来調査を行い、浚渫土が海底土砂を起源としていること、および含まれる砒素が自然地層(海底土砂)由来であることを確認した。
高木 亨
前田建設工業(株)
<油汚染土壌のバイオ処理に関する基礎的検討>
 現場分析可能な方法でモニタリングした影響因子を検討することにより、現場におけるモニタリング項目とその管理水準を明確にした。
中島 卓夫
(株)鴻池組
<間接加熱式熱脱着工法による汚染土壌の浄化>
 熱分離装置の実証実験用小型機(TPS-PS)を用い、シアン・油・ダイオキシン類の汚染土壌処理に間接熱脱着工法が有効であることを確認した。
三浦 俊彦
(株)大林組
<六価クロムで汚染された粘性土の洗浄無害化技術>
 炭酸塩を含む弱アルカリ塩の脱離剤を用いることで、粘性土中の六価クロムの洗浄無害化技術が実用可能であることを確認した。
両角 昌公
(株)竹中工務店
<造粒およびコーティングによる重金属の固定化>
 洗浄が困難な微細汚染土を粒径5mm程度の粒子に固化・造粒し、粒子をコーティングすることで、新しい固化・不溶化法を構築した。