広報分科会よりのメッセージ



  第28回夏季五輪が108年ぶりに五輪発祥の地アテネで8月13日に開幕した。日本選手の活躍は、五輪史上最多のメダルを日本にもたらし、酷暑の夏を吹き払う興奮を我々に与えてくれた。かつて「お家芸」と言われていた体操・柔道の復活、野村・谷(柔道)や北島(平泳ぎ)各選手の下馬評通りの強さ、年長者に夢を与えた41歳山本(アーチェリー)選手の活躍、格闘技やマラソンで見せた女子選手の男子選手を凌ぐ活躍など、種々の話題を提供しながら29日に閉幕した。
  「お家芸」復活の陰には、低迷脱出に向けての苦悩と現状打開に向けた選手・コーチ・競技団体一体となった努力と研鑽があったと聞く。また、野村・谷・北島など各選手には前評判の重圧をはね除ける強い精神力と絶えざる鍛錬があり、41歳山本選手には年齢を超える努力があったのであろう。それにしても女子選手の強さは何なのだろう、「やまとなでしこ」が「サムライ」化した我が国の実状を映しているのであろうか。
  アテネ五輪の参加国は史上最多の202の国と地域に及んだとのこと。アマチュア精神を尊び「参加することに意義がある」と言った時代から、プロ化・商業化が進んだ今日では、「参加する以上は成績(金:カネ)を残す」時代に変わってきている。競技の時間帯も選手にとっての最適時間帯からテレビ視聴時間帯に合わせる傾向になってきている。しかし、状況がいかに変わろうと人々を感動させるのは選手の活躍であることに変わりはない。人々は選手の真摯な努力とその結果としての活躍に酔うのである。
  何事も草創期の精神は成熟期に向けて状況に応じて変わっていく。平成4年12月の「土壌環境浄化フォーラム」設立から、平成8年4月の「土壌環境センター」設立を経て、センターの会員数は本年8月末現在189社に達した。フォーラム設立から数えて12年、センターを取り囲む状況は大きく変化している。しかし、センターに課せられた土壌環境問題への使命に変わりはなく、取り組む姿勢に変化があってはならない。

(広報・教育委員会 広報分科会)