環 境 省 甲 村 新 部 長 あ い さ つ

環境省環境管理局
水環境部長
甲村 謙友
甲村 謙友 プロフィール
昭和26年 奈良県生まれ
東京大学工学部卒業
昭和49年4月 建設省入省(大臣官房人事課)
平成 9年1月 建設省道路局地方道課市町村道室長
 〃 10年11月 徳島県土木部長
 〃 13年4月 〃 県土整備部長
 〃 13年8月 国土交通省河川局河川計画課長
 〃 15年7月 〃  土地・水資源局水資源部長
 〃 16年7月 現職に就任

  本年7月1日付けで環境省環境管理局水環境部長に就任しました甲村でございます。すでに就任して2ヶ月が過ぎましたが、(社)土壌環境センターの会員の皆様方に就任のご挨拶を申し上げます。
  私は、昭和49年建設省に入省し河川行政を中心に携わってき、今回の人事異動で環境省にまいりました。水環境部としてこれから取り組んでいくべき課題は、閉鎖性水域を中心とした水環境の改善、安全でおいしい水の確保や世界的な水問題への取り組み等様々ありますが、その中でも土壌環境・地下水汚染対策は安全・安心な社会の構築のための重要な課題と位置づけております。
  さて、土壌汚染問題は、市街地における企業の工場跡地等の再開発や事業者等の自主的な調査により土壌や地下水の汚染が判明する事例が増加したことによる国民の不安の高まりを受け、土壌汚染の状況の把握、人の健康被害の防止措置等の対策を実施することを内容として「土壌汚染対策法」が平成14年5月に成立し、昨年2月15日に施行されました。法が施行されてから一年間の状況は、有害物質使用特定施設の廃止に伴う土壌汚染状況調査が81件、結果報告されたものが62件、このうち基準に適合しなかった26件が指定区域に指定されており、本法が着実に運用されているところです。また、調査の実施機関である指定調査機関は、これまで4回にわたり約1,600機関を指定しております。
  今後の課題としては、実用段階にある簡易で低コスト・低環境負荷型の土壌汚染調査手法や土壌浄化技術の確立、地域住民との合意形成のためのリスクコミュニケーションの普及、土壌汚染による生活環境や生態系への影響把握、射撃場の鉛汚染対策等がありますが、引き続き取り組みを進めて参る所存であります。
  さらに本法では、汚染の除去等の措置を実施すべき土地所有者等が費用負担能力の低い場合における措置経費の一部助成及びリスクコミュニケーション事業実施のための基金を造成することとしております。この基金は、土壌汚染対策を進めていく上で極めて大きな意義を有するものであり、国の補助金と民間からの出えんによって造成されることとなっております。(社)土壌環境センターの会員の皆様にも引き続き出えんのご協力をお願いする次第です。
  最後に、土壌汚染対策法の円滑な実施により各地の市街地等における土壌汚染問題の解決が図られるよう環境省としても努力して参る所存でありますので、(社)土壌環境センター会員の皆様におかれましてもより一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。