海 外 視 察 団 報 告

 
団長 塚原 伸一郎
11月30日 成田発 パリ着
12月 1日 サン・ドニ市フランス・スタジアム訪問
  〜2日 2003 Pollutec視察
12月3日 パリ発 アムステルダム着
12月4日 HAK Milieu Techniek社、
      浄化現場訪問
      Terreco社、浄化現場訪問
12月5日 Promeco社、浄化現場訪問
      Bioclear社、浄化現場訪問
12月6日 アムステルダム発
12月7日 成田着

オランダ Terreco社にて
  今年度の国際情報交流事業としての海外視察は、オランダにおける汚染浄化サイトの訪問を軸に折からパリで開催中の2003 Pollutec「19th International Exhibition of Environmental Equipment, Technologies and Services」の視察を加えて実施された。本調査には、土壌環境センター会員企業から18名が参加した。
  ごく最近まで工場地帯であったパリ北部に位置するサン・ドニ市にある収容人数8万人のヨーロッパ有数のフランス・スタジアムは、1988年のサッカー・ワールドカップ開催に向けて一連の再開発事業として建設されたもの。石油・重油の染みこんだ土壌から発生する悪臭を地中に設置した井戸から吸引し、大気に拡散換気するシステムであった。
  悪臭問題をイベント開催時にのみシステムを稼働させるという方法で解決しているフランスらしい(?)現場であった。活性炭吸着塔も設置されていたが、使用実績は全くないとのことであった。
  Pollutecは欧米を中心とした1,200社を超える企業が参加する巨大環境展で大気、水質、廃棄物、土壌などの展示が広大な室内展示場に所狭しと並んでいた。各自分散して必要な情報、資料を収集した。4時間を超え、いささか足が棒になった一同であった。
  オランダでの会社、現場視察は東京のオランダ大使館のお膳立てによる誠にきめ細かな効率のよいものであった。各社とも最初に映像を使ったプレゼンテーションと質疑応答を終えた後、浄化現場を視察するもので、実効のある視察が出来たと思っている。
  HAK社の重金属を対象とした「直流電気による汚染除去技術」と交流利用によるVOC処理への応用と生物処理の併用が印象的であった。
  Terreco社ではBio Active Layer 技術の紹介があり、詳細については開示いただけなかったが実績に裏付けられた自信がかいま見られたと同時に、日本企業への熱い視線が感じられた。
  初日の視察終了後、オランダ側主催による情報交換会が行われた。おいしい食事とワインの助けを借りた交流の輪があちらこちらで見られた。
  Promeco社ではPCEを地下6mと12mに水平方向に設置した水路によって、じゃがいも澱粉工場からの廃棄物を栄養源として注入する低コストの嫌気性生物処理の紹介があった。
  Bioclear社からは旧ガス製造プラント跡の浄化に炭素源を地下注入する嫌気性生物処理の実績と、欧州内への技術輸出の紹介があった。プロジェクトを一括、定価格で保証請負(期間は自己リスク)する自信のほどを示す話もでた。
  平日5日間を利用した忙しい駆け足の視察日程であったが、参加された団員の皆さんは、あらかじめ決められた分担に応じて情報収集に熱心に取り組まれた。詳細については報告書を参照されたい。
  あわただしい中にもフランス、オランダ両国の伝統と文化に触れた「視察」もあったことはいうまでもない。団員の皆様のご協力、オランダ大使館のテオ・ペータース氏をはじめ関係諸氏へ紙上を借りて感謝申し上げる。
  大成ツーリストの村上さん、終始変わらぬ暖かい心配りに感謝いたします。