巻頭言

環境庁水質保全局長 渡辺 好明 
 土壌環境ニュース第3号の発刊に当たり、巻頭の言を述べさせていただきます。

 土壌は、地下水の*養、水質の浄化、食料や木材生産等の機能を持ち、物質の循環や生態系維持の要として、その役割は極めて重要であり、このような土壌の環境を保全するために汚染の未然防止はもとより、汚染の浄化に対する取り組むを強化することは、極めて重要な課題であると考えております。

 近年、土壌・地下水の保全に対する関心が高まる中で、平成8年4月1日に社団法人土壌環境センターが設立され、まもなく1年を迎えようとしています。この間、土壌・地下水保全を含む水環境保全に関する様々な取り組みが進められております。特に、平成8年6月には水質汚濁防止法が改正され、都道府県知事から汚染原因者に対する地下水の浄化措置命令の制度及び油汚染事故への対応措置の制度が導入され、本年4月1日から施行されることとなりました。さらに、地下水に関する環境基準の設定についての検討が中央環境審議会において進められております。

 環境庁といたしましては、今後とも、土壌・地下水の総合的な保全対策を一層進めるべく、平成9年度においても新たな土壌環境対策に関する情報を整備・提供する事業や地下水汚染の浄化汎用装置の開発においても新たに土壌環境対策に関する情報を整備・提供する事業や地下水汚染の浄化汎用装置の開発、データベース化による地下水環境情報の把握等の調査を開始することとしているところでありますが、特に、技術の開発や普及といった分野では、技術力を有する民間の協力がぜひ必要であるます。

(社)土壌環境センター会員の皆様方の一層のご支援をお願いいたします。

 また、環境庁といたしましては、大きな社会問題となっております廃棄物問題にも重点的に取り組んでおります。現在、中央環境審議会で廃棄物に係る環境負荷低減対策の在り方についてご議論いただいており、先般、最終処分に関する事項を中心として「中間とりまとめ」をいただいたところであり、引き続きその他の重要事項について、御提言いただくこととなっております。環境庁といたしましては、「中間とりまとめ」を受け、最終処分に関する基準の大幅な見直しをはじめ、廃棄物に係る環境保全対策の強化を図っていくこととしています。

 このほか、水環境保全施策の新たな展開として、健全な水循環を確保するため、地下水*養を促進し、湧水や井戸を復活させる事業を創設したところです。

 本年は、地球温暖化防止京都会議及び国連環境特別総会の開催が予定され、環境問題の大きな節目の年となります。土壌・地下水を含む水環境の分野においても、着実な前進と新たな展開を図ってまいりたいと思います。

 今後とも、緑豊かで美しい地球を守り、次世代まで引き継ぐことができるようご理解とご協力をお願いいたします。