秋 季 セ ミ ナ ー 報 告


  11月5日は東京JAビルで、11月25日は大阪産業創造館で秋季セミナーが開催された。

  本セミナーはタイトルを「土壌汚染対策法の成立を契機に」としており、平成15年2月15日の同法施行を前に多数の参加者を集め、その関心の高さを反映したセミナーとなった。今回は大阪でのセミナーについて報告する。

  大阪会場ではセミナー開始が10時にも拘わらず、多数の聴講者が9時30分の受付を待つように来場し、あっという間に300余りの席は埋め尽くされた。大阪では廃棄物学会と土壌汚染対策コンソーシアムが協賛しており、当センターの定員枠150名は早々と申し込みを締め切る盛況振りであった。

  セミナーの前半は同法の成立から政省令づくりに関係された大阪大学 村岡浩爾名誉教授、和歌山大学 平田健正教授および国立環境研究所 中杉修身センター長が講演された。

  村岡名誉教授は同法に関し、国および審議会で論議されてきた要点を設問、解説形式で解り易く説明された。又同氏は大阪府の条例づくりにも関与されており、同法と条例の違いについても触れられた。平田教授は長年研究された揮発性有機塩素化合物の浸透試験データを基に、汚染の実態および浄化技術について発表された。中杉センター長は健康影響から見た同法の基準について説明された。

  セミナーの後半は同法を実際に運営する自治体の立場から高槻市 鞍谷保之 環境管理室長、秦野市 津田信吾 環境農政部特定技官、岐阜県 寺尾宏 保険環境研究所主任専門研究員、および兵庫県 吉岡昌徳 健康環境科学研究センター 安全科学部長が各々土壌・地下水汚染について調査から対策に至るまでいかに取り組み、成果を上げているか講演された。

  本セミナーは法の成立による国の方針と、その法に基づき市民への行政サービスとして実施する自治体の姿勢が理解できる、聴講者にとって法の施行を前に、時宜を得た有意義なものであった。