第8回 地下水・土壌汚染とその防止対策に関する研究集会報告


 1991年4月に京都大学で第1回の地下水・土壌汚染とその防止対策に関する研究集会(以下研究集会と呼ぶ)を開催して以来10年余が経過し、本年6月26日〜28日、京都で第8回研究集会が開催されました。
 開会の挨拶をされた大阪産業大学、前日本地下水学会会長の寺島先生のお話では、第1回の研究集会は発表件数も約40件と今回の研究集会での発表件数130件と比べるとずいぶん小規模だったようです。しかし、当時からすでに研究者の問題意識も有機塩素系溶剤、農薬、硝酸性窒素等の汚染状況、調査・解析・評価・修復など、今日の問題、課題となっているものが多く取り上げられていたとのことでした。
 今回の第8回研究集会は日本地下水学会、(社)日本水環境学会と当センターとが供催し、JR京都駅すぐ西側にある『キャンパスプラザ京都』で開催されました。
 初日は当センター専務理事の佐藤を始め8人の発表による特別シンポジウムが開催されました。講演は法整備、予測評価技術や対策技術の現状と課題、不動産の鑑定評価や防止対策の課題まで広範囲に渡り、約350名の参加者は会場5階の講演会場に入りきれず、2階のTVモニターのあるホールに分かれて熱心に聴講されていました。また、研究集会の受付には京都大学の森澤先生の講座から大学院生8名の方にお手伝いをお願いし、暑い中3日間の受付から後片づけまで、大変お世話になりました。
 2日目からは約130件の口頭発表とポスターセッションが行われました。30〜40名の方がまず3分間で研究概要を発表し、その後、各自の研究内容をポスター会場に分かれて来場者に説明し、その場で質疑応答に応えるというハイブリッド形式で行われました。発表会場とポスター会場が5階と2階に分かれていたため、会場の移動に少し不便をおかけしましたが、発表者と直接、自由に討議できるという点では大変よかったのではないでしょうか。 ポスターセッション風景
        ポスターセッション風景
 今年の発表では基礎研究的な発表が約30件、調査方法や調査技術に関するものが約20件、対策や処理の技術に関するものが約80件でした。特にバイオに関する発表が約30件あり、最近の特徴でもあるようです。また公的研究機関からの発表が約20件、大学等からの発表が約30件、民間からは約80件でした。3日間の最終的な参加者はおよそ580名でした。しかし、センターでは会場が狭く入りきらないことを理由にこの他のたくさんの方々に参加を見合わせるお願いをしなければなりませんでした。参加できなかった方々には大変申し訳ありませんでした。
 また、講演終了後会場を『ぱるるプラザ京都』へ移し、懇親会が開催されました。この懇親会には約200名の方が参加され、日頃業務が忙しくメールや電話だけでしか連絡のとれない方々が、時間のたつのも忘れ京都の夜を楽しまれていた事がとても印象的でした。
 来年は関東地方での開催が検討されているようです。また日時や場所が決まりましたら、土壌環境ニュースでもお知らせしたいと思います。