環境庁ニュース


平成10年
  9月21日 第3回「土壌中のダイオキシン類に関する検討会」開催(参考1) 
 10月23日 平成9年度ダイオキシン類の総合パイロット調査結果を公表
 11月17日 第4回「土壌中のダイオキシン類に関する検討会」開催(参考1)
 11月24日 土壌中のダイオキシン類に関する検討会(第一次報告)中間取りまとめを公表(参考2)
 12月 8日 平成9年度地下水測定結果について(参考3)
平成11年
  1月29日 土壌・地下水汚染に係る調査・対策指針及び同運用基準を策定・公表
  2月 3日 第5回「土壌中のダイオキシン類に関する検討会」開催(参考1)


(参考−1)
「土壌中のダイオキシン類に関する検討会」の開催
  ダイオキシン類が環境に及ぼす影響についての社会の関心が高まっているが、土壌中のダイオキシン類については我が国における調査事例が少なく、汚染の実態や土壌中のダイオキシン類が人の健康に及ぼす影響などが十分に把握されていない状況にあることから、土壌中のダイオキシン類が環境に及ぼす影響の評価手法について検討を行うとともに、実態調査結果の解析、リスクの低減手法等について検討を行うこととした。
  平成10年度中に7回開催し、平成11年3月末に初年度の取りまとめを行う予定。
 (1)第3回検討会の概要
   前回議事録の確認、土壌中ダイオキシン類の環境影響の評価手法、土壌中ダイオキシン類のリスク低減方法等について検討を行った。
 (2)第4回検討会の概要
   前回議事録の確認、検討会(第一次報告)中間取りまとめ等について検討を行った。
 (3)第5回検討会の概要
  前回議事録の確認、中間取りまとめに対する国民からの意見、第一次報告に向けた検討課題等について検討を行った。


(参考−2)
土壌中のダイオキシン類に関する検討会(第一次報告)中間取りまとめ(概要)
 環境庁は、ダイオキシン対策の推進を図るため、平成10年5月、「土壌中のダイオキシン類に関する検討会」を設置し、検討を行ってきた。今般、これまでの検討の成果を「中間取りまとめ」として取りまとめ、その中で居住地等における土壌中ダイオキシン類に関する暫定ガイドラインを提案した。環境庁では、中間取りまとめに対して、国民各方面から募集した意見を、今後の検討に反映させることとしている。
1.暫定ガイドラインの概要
 (1)暫定的なガイドライン値
   居住地等一般の人が日常生活を行っている場所について、対策をとるべき土壌中ダイオキシン類の濃度として1,000pg-TEQ/gを提案。
 (2)ダイオキシン類土壌汚染対策の考え方
  汚染の程度や広がり等汚染地の実情を踏まえて、掘削、覆土工、植栽工等の中から最も適切な手法を選択して実施するよう提示。
2.国民の意見の募集
 公表後約1ヶ月間、郵便、ファックス、電子メールにより、国民から意見を募集した。


 (1)中間取りまとめの内容
  1)ダィオキシン類による土壌汚染の状況
  自治体等へのアンケート調査や既往文献の調査によって、我が国及び諸外国の土壌中ダイオキシン類濃度の調査事例を収集した。

  2)諸外国における居住地のガイドライン値
   ド イ ツ;1,000pg-TEQ/g、
   オランダ ;1,000pg-TEQ/g、
   スウェーデン;1,0g(ノルディックTEQ)/g、
   米  国 ;1,000pg-TEQ/g、
   ニュージーランド;1,500pg-TEQ/g、
   カ ナ ダ;1,000pg-TEQ/g、

 ※注:居住地を含み、農用地、児童公園等あらゆる用途に利用する土地に対して適用

  3)暫定的なガイドライン値
 居住地等における土壌由来のダイオキシン類の曝露リスクを評価するため、具体的な曝露アセスメントのシナリオを設定し、多くの国が居住地のガイドライン値としている1,000pg-TEQ/gを用いて曝露量を試算した結果、食品等からの曝露を考えあわせても、合計の曝露量は健康リスク評価指針値(人の健康を維持するための許容限度ではなく、より積極的に維持されることが望ましい水準)の範囲内にあり、安全性を見込んでも十分に小さいものと評価できることから、暫定的なガイドライン値を1,000pg-TEQ/gとすることを提案した。

  4)対策の考え方
 土壌中のダイオキシン類濃度が暫定的なガイドライン値を超え、対策を実施する場合には、汚染の程度や広がり等の汚染地の実情を勘案の上、掘削、封じ込め、覆土工、植栽工等の中から最も適切な手法を選択して実施することが必要である旨提示した。

  5)今後の検討課題
 今回提案した暫定ガイドラインは、今後の調査研究の進展に待つ部分が多い中での提案であり、平成11年度以降、実証試験等を踏まえて、更なる検討を進めるとともに、農用地に係るガイドラインの設定の必要性を含めた検討や、土壌中のダイオキシン類が公共用水城を経由して河川、海域に移行することにより生じる曝露リスクに関する検討等を引き続き進める。

(2)今後のスケジュール
  中間取りまとめを公表後、平成10年12月25日までの間、本中間取りまとめについて国民一般から意見を募集した。今後、それらの意見を参考に、検討会において更に詳細な検討を加え、本年度末を目途に初年度の検討結果を取りまとめる予定である。


(参考−3)
平成9年度地下水測定結果について(概要)
  環境庁は、平成9年度に水質汚濁防止法の規定に基づき国及び地方公共団体で実施された全国の地下水質の測定結果をとりまとめた。
  これは、平成9年3月に地下水の水質汚濁に係る環境基準が設定されてから、初めての測定結果となるものである。
  その結果、概況調査で鉛、六価クロム、砒素、総水銀、ジクロロメタン、四塩化炭素、1,2‐ジクロロエタン、シス-1,2‐ジクロロエチレン、トリクロロエチレン及びテトラクロロエチレンについて環境基準を超える井戸が新たに発見された(超過率2.0%)ほか、定期モニタリング調査等で地下水汚染が継続している状況が見られた。
  このため、環境庁では、水質汚濁防止法に基づく地下浸透規制、浄化措置命令等の措置の適切な運用、汚染された地下水の簡易・経済的な浄化技術の開発、「重金属等に係る土壌汚染調査・対策指針及び有機塩素化合物に係る土壌・地下水汚染調査・対策暫定指針(平成6年11月策定)」の改訂等により地下水の水質汚濁に係る環境基準の維持達成に向けた取組を推進することとしている。

(注)環境庁関連の報道発表資料、土壌中のダイオキシン類に関する検討会資料等については、環境庁ホームページ ( http;//www.eic.or.jp/eanet/ )でも公表しています。ぜひご覧ください。