「第1回放射性物質による土壌汚染セミナー」報告


「第1回放射性物質による土壌汚染セミナー」が、12月2日に埼玉会館(埼玉県さいたま市浦和区高砂)で開催されました。 東北地方太平洋沖地震とそれに伴う大津波による被害を受けた福島第一原子力発電所は、大量の放射性物質の漏洩を伴う原子力発電所事故を引起し、 その事故によって拡散した放射性物質による土壌汚染が社会問題になっています。 本セミナーは、「原子力災害に係る放射能土壌汚染の基礎から今後の環境回復まで」をテーマに、第一線でご活躍されている研究者をお招きし、 土壌中の放射性物質の挙動やリスク、対策案、課題等について最新の情報を紹介いただくことを目的に開催されました。
  セミナーでは、独立行政法人放射線医学総合研究所の吉田聰氏、独立行政法人日本原子力研究開発機構の武部慎一氏の両氏による講演が行われました。 吉田聰氏は、放射性物質の最新の分布状況や土壌中での挙動、農地や森林における土壌調査結果、森林中の植物の調査結果などチェルノブイリ事故の調査結果を交えて講演されました。 武部慎一氏は、放射性物質により汚染された廃棄物等の処理処分についての考え方や、警戒及び計画避難区域等の環境回復を主体に講演され、 環境回復については特に生活環境の回復に関して除染や対策方法など総合的な考え方を提言されました。 本セミナーでは約350名の方が参加されましたが、メモをとるなど両氏の講演を熱心に聴講されていた様子からも関心の高さが伺えました。 また、参加された方々には、放射性物質の土壌中での挙動や今後の汚染修復の考え方や方向性など知識取得にお役に立ったのではないでしょうか。
  放射性物質による土壌汚染に関しては非常に関心が高いことから、「第2回放射性物質による土壌汚染セミナー」を 5月14日に四谷区民ホール(東京都新宿区内藤町)で開催する運びとなりました。 第2回セミナーの講演題目や内容など詳細につきましては、当センターのホームページでご案内いたしますのでご参照ください。 次回も多くの方々の参加をお待ちしています。

演 題 講演者
土壌中の放射性物質の挙動とその影響 独立行政法人 放射線医学総合研究所
放射線保護研究センター 運営企画ユニット長
 吉田 聰 氏
原子力災害に係る環境回復について 独立行政法人 日本原子力研究開発機構
バックエンド推進部門 バックエンド推進室 室長代理
 武部 慎一 氏

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