広報分科会よりのメッセージ



  今年、4年に一度の冬の祭典、冬季オリンピックが開催されました。本大会の理念の一つに「環境への配慮」が掲げられました。夏季オリンピックのメダルと違って冬季オリンピックのメダルはデザインが自由ですが、バンクーバー大会のメダルは「環境五輪」の理念に則り、不用になった家電製品やパソコンなどの産業廃棄物から取り出した金属で作られているということです。しかしその一方で、記録的な暖冬の影響で雪不足により、ヘリコプターなどで何百回と競技会場へ他の地域から雪を搬送して人工的にコースが造られました。地肌がむき出しになった山の斜面の一角に真っ白なコースが据え付けられた皮肉とも言える光景は、バンクーバー大会が掲げるテーマからみれば理想と現実が乖離したオリンピックの象徴のようにも映りました。
  日本では、この4月1日に改正土壌汚染対策法が施行されました。当分の間は混乱を招くことが予想されますが、今後改正法が掲げる理念と我が国の土壌環境を取り巻く現実とが乖離することがあってはならないと思います。
  当センターは、理想の土壌環境対策のあり方をめざし、先導的な立場でより一層の努力をしていく所存です。
(広報・教育委員会 広報分科会)