新 年 挨 拶

野村 哲也
(社)土壌環境センター
会長
野村 哲也

  新年を迎え、謹んで新春のお慶びを申し上げます。年頭にあたり、ご挨拶を申し上げます。
  我が国経済は、2002年の初めから息の長い回復を続けてきましたが、昨年に入り米国のサブプライム問題に端を発した米国景気の減速、世界的な金融危機の深刻化や、原油・原材料価格の高騰などから、景気は後退局面に入ったものと思われます。この大変厳しい状況は、今年もしばらく続くものと予想されます。
  これまで順調に拡大してきた国内の土壌環境事業も、毎年センター会員企業を対象に実施している土壌汚染状況調査・対策事業の昨年度実績では、受注件数で14,924件(前年度比+1%)、受注高で1,641億円(前年度比-18%)となり、受注高では平成14年度の調査開始以来「初のマイナス」となりました。
  また昨年は土壌に関連して、土地売買から12年経過した後に法規制されたフッ素の汚染除去費の負担を、売主負担とする東京高裁判決が出されたり、千葉県の食品工場で基準を超えるシアン化物を含む井戸水が食品製造に使用されていた事件など、広く社会的に注目を受けることとなった事案が数多くありました。
  このように土壌環境に対する社会的な関心が一層高まる中で、環境省では、平成19年6月に水・大気環境局長諮問による「土壌環境施策に関するあり方懇談会」を設置し、施行5年目を迎えた土壌汚染対策法の実態把握と新たな施策を検討のうえ、昨年3月に主要検討課題と土壌環境施策のあり方について、報告書にまとめ公表しました。さらに、その報告を踏まえ昨年5月には中央環境審議会へ「今後の土壌汚染対策のあり方について」諮問し、その結果として土壌農薬部会に土壌制度小委員会を設けて、法制度の見直し・改正についての検討を行っています。
  当センターとしましては、このような国の動きに対応し、本年も土壌・地下水環境分野における唯一の公益法人としての役割を充実してまいります。またこれまでの実績をベースとして、一層のポテンシャルアップを図り、より社会への貢献に重点を置いた活動を展開していきたいと考えております。
  役職員一同、土壌・地下水汚染対策に関する活動の一層の推進と土壌環境センターの発展のため、決意を新たにして取り組む所存でございます。会員の皆様には、従来にも増してご支援を賜りますようお願い申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。