環 境 省 挨 拶 |
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環境省 水・大気環境局 土壌環境課長 坂川 勉 |
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(社)土壌環境センター及び会員の皆様には、我が国における土壌汚染対策の推進に関してご理解とご協力をいただいており、厚く御礼申し上げます。 土壌汚染対策法が平成15年2月に施行されてから5年目を迎えています。同法に基づく調査・対策が進展しているとともに、法律の対象外であっても土地の売買等に伴って調査・対策が行われる事例が増加しており、むしろ前者よりも後者の方が多いという状況にあります。 また、いわゆるブラウンフィールド(土壌汚染の存在、あるいはその懸念から、本来、その土地が有する潜在的な価値よりも著しく低い用途あるいは未利用となった土地)に関する問題が今後顕在化するおそれがあります。ブラウンフィールドに関しては、環境省からの請負事業により貴センターに設けられた検討会において実態と発生要因がとりまとめられ、4月に公表されたところです。それによれば、今後、我が国でブラウンフィールド化する土地の面積は、約2.8万ヘクタールに及ぶと試算されています。ブラウンフィールド化するか否かは主として土地の価格と対策費用との関係によること、実際に行われる対策として掘削除去が多くなっており、封じ込めによる対策に比べて対策費用が高額になっていることなども指摘されています。 さらに、汚染された土壌が掘削除去され現場から搬出された後に不適正に処理される事例も散見されているため、その適正な処理を確保する必要があります。 このように様々な課題を抱えていますので、土壌汚染対策法の施行状況や対策の現状を十分に把握し、制度的な課題を整理検討することが必要な時期を迎えていると考えています。土壌汚染は土地の資産価値に影響を与える問題でもあることから、経済社会の各方面の動向をよく把握することも必要です。そこで、土壌環境施策のあり方を検討するため、学識経験者や各分野の関係者等から構成される懇談会を設置し、第1回会合を6月15日に開催することとしています。 土壌汚染対策を適切かつ円滑に進めていくためには、制度面の検討に加えて、土壌汚染のリスクや適切な調査・対策方法に関する技術的な課題についてもさらに調査研究を進めていくことが必要です。皆様の豊富な知見を活用させていただきたく、今後ともよろしくご協力をお願いします。 貴センター及び会員の皆様の益々のご発展を祈念しまして、簡単ではございますが、挨拶とさせていただきます。 |