土壌汚染対策法施行後に政省令や解説書に準じて土壌調査や浄化工事が実施されていますが、不明確な部分について解釈が相違したり解決に時間を要したりする事態が生じています。これらの問題点を解決するためにセンター技術標準検討部会では技術標準の作成を進めてきました。この技術標準は学識経験者や会員の意見も取入れたものになっています。 「埋め戻し土壌の品質管理指針」はセンター技術標準の第一号案件で、汚染土壌の掘削除去後に使用する埋め戻し土壌が「汚染土壌以外の土壌」であると判断するための分析項目と頻度を規定したものです。 この技術指針における埋め戻し土壌の種類は、「自然地盤の土壌」、「既利用地等の土壌」、「浄化土壌」の3種類に分類し、さらに各種土壌を数種に区分しました。各区分は、埋め戻し土壌の発生場所等における現在及び過去の土地利用状況や地質等に関する資料等調査の結果から考えられる指定基準不適合となるおそれに応じて、下表に示すとおりとしました。 |
種 類 |
分析頻度 |
分析対象物質 |
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客 土 |
自 然 地 盤 の 土 壌 |
自然地盤 S種 |
・品質管理データを蓄積しており、自然的原因による 指定基準不適合のおそれがないとみなすことがで きる採土場から搬入する土壌 ・自然地盤を掘削した際に発生する土壌のうち、資料 等調査により、自然的原因による指定基準不適合 となるおそれがないと みなすことができるもの |
なし |
なし |
自然地盤 A種 |
・採土場から搬入する土壌のうち、上欄及び下欄に 示したものを除いたもの ・自然地盤を掘削した際に発生する土壌のうち、上欄 及び下欄に示すものを除いたもの |
発生場所毎 におおむね 5,000m3毎 に1回 |
・自然的原因による指定 |
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自然地盤 B種 |
・品質管理データを所有していない採土場から搬入 する土壌 ・品質管理データはあるが自然的原因による指定基 準不適合のおそれがある採土場から搬入する土壌 ・自然地盤を掘削した際に発生する土壌のうち、資料 等調査を実施していないもの ・自然地盤を掘削した際に発生する土壌のうち、自然 的原因による指定基準不適合のおそれがあるもの |
発生場所毎 におおむね 900m3毎に 1回 |
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既 利 用 地 等 の 土 壌 |
既利用地 B種 |
・既利用地及び人為的改変を受けている土地のうち、 下欄に示した土地を除いた土地から発生する土壌 |
発生場所毎 におおむね 900m3毎に 1回 |
・指定基準が定められて いる特定有害物質全物 質(資料等調査から明ら かに汚染の可能性がな いと認められる特定有害 物質等は省略してもよい) |
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既利用地 C種 |
・現在、特定有害物質を使用等している工場又は事 業場の敷地から発生する土壌 ・特定有害物質を使用等していた工場又は事業場の 敷地又は跡地から発生する土壌 ・土地利用履歴が不明な土地から発生する土壌 ・特定有害物質の使用状況が不明な工場又は事業 場の敷地又は跡地から発生する土壌 |
発生場所毎 におおむね 100m3毎に 1回 |
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浄化土壌 |
・汚染土壌から特定有害物質を除去した後の土壌 | おおむね 100m3 毎に1 回 |
・浄化対象の特定有害物質 ・浄化工程により指定基準 不適合となるおそれのある 特定有害物質 ・未調査物質で指定基準不 適合となるおそれのある特 定有害物質 |