広報分科会よりのメッセージ



  人類が世界規模で、排出を規制した物質のひとつにオゾンホール生成の主原因であるフロンがある。昨年8月にジョージア工科大学の研究チームが「フロン排出規制の効果で、オゾン層は1997年をピークに回復傾向にある」という発表をした。フロン排出規制に尽力した方々の努力の賜物であろう。ところが、その2ヵ月後に米航空宇宙局(NASA)と米国海洋大気庁(NOAA)は南極上空のオゾンホールが拡大し、9月下旬には過去最大となったと発表した。大自然のバランスや地球の複雑な化学系の修復が如何に困難で一筋縄ではいかないかを示す良例であろう。
  翻って我々の取り組む土壌汚染問題は、オゾン層の消長ほど複雑な自然現象を対象としていない。しかしながら、土地をとりまく社会環境や地域社会の人達の相互関係はやはり複雑で壊れやすい。できることなら、なるべく多くの関係者の方々が幸福になれる土壌汚染の解決を目指したいものである。
(広報・教育委員会 広報分科会)