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藤塚 哲朗


  環境省 水・大気環境局
  地下水・地盤環境室長

  藤塚 哲朗
 プロフィール
  昭和32年生まれ
  岐阜県出身
  岐阜大学大学院終了
  平成18年7月1日より現職
  昨年7月から地下水・地盤環境行政を担当しています藤塚でございます。社団法人土壌環境センターの会員の皆様には常日頃大変お世話になっております。この場をお借りしてお礼を申し上げたいと存じます。
  さて、地下水・地盤環境の保全に関する業務は、従来地下水の水質管理、地盤沈下対策を中心に行われてきています。
  地下水の水質管理に関しては、従来の水質汚濁防止法に基づく地下水質の常時監視、地下浸透規制、事業者等による自主的な検査・公表等により、重金属・有機塩素化合物系が原因の地下水汚染は減少の傾向があるものの、他方、生活排水・施肥・家畜排泄物が原因の硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素による地下水汚染は依然高い環境基準超過率を示しているところです。
  硝酸性窒素および亜硝酸性窒素による地下水汚染は、汚染原因が複合的であること、汚染範囲が広範囲に及ぶこと、さらに、汚染原因物質が過去長期間に渡って蓄積されている場合が多いこと等から、その解決に当たっては、ステークホルダーとの調整をはかりつつ、環境教育活動も含め、地域が一体となった様々なアプローチにより問題解決に取り組む手法を試みているところです。
  地盤沈下対策に関しては、地下水の揚水規制、水利用高度化等により地盤沈下は沈静化しつつありますが、新たな地下水・地盤環境の利用ニーズの高まりやそれらの有効利用の観点から、従来から実施してきた規制に加え、新たな管理・有効利用の視点からも取り組んでいく必要があると考えています。
  環境省のあらゆる施策を動員して地球温暖化対策問題に取り組む必要があるとの観点から、地下水・地盤環境が有する特徴を活用して、地球温暖化対策を実施していきたいと考えています。
  従来その取り扱いが地下水と地表水の中間に位置づけられていたと考えられる湧水に関しては、環境保全上健全な水循環の確保を確保していく観点から、地域で行われているさまざまな活動の支援を始め、湧水の保全・復活を積極的に推進していきます。
  このように硝酸性窒素対策、地下水・地盤環境の管理・有効利用、地球温暖化対策、及び、湧水の保全・復活に共通するキーワードは「街づくり・地域づくり」です。地上と地下とを一体のものとしてとらえ、「街づくり・地域づくり」に貢献する地下水・地盤環境施策の実施に取り組んでいきたいと考えています。