「土壌・地下水汚染の調査・対策技術の現状」セミナー報告

1.開催の趣旨
  土壌汚染対策法が施行されて3年余りが経過しております。法律の制定から今までの間に、社会的ニーズと国民の認知度の上昇に伴って土壌汚染調査や浄化対策工事が本格的に動き出しているサイト数は急速に増加しております。一方、当センター並びに会員企業を初め土壌汚染浄化に携わる我々にはより一層の優良な技術の開発とその実行が求められており、その責任もますます重くなってきています。
  このような現状に鑑み、会員企業の保有する技術全般について一般に紹介することを目的として、去る3月22日(水)、北とぴあ(東京都北区王子)において、センター主催による「土壌・地下水汚染の調査・対策技術の現状」セミナーが開催されました。

2.開催の概要
  今回のセミナーは演者による口頭発表と隣接するフロアーでのポスター発表の2つのセッションによって組み立てられました。口頭発表数は24タイトル、ポスター発表は24タイトルでした。今回のセミナーの特徴のひとつとして、より多くの人々に参加してもらうために参加費用を無料にしたことが挙げられます。その効果もあってか当日は行政や一般からの多数の受講者の参加に恵まれ、会場は満席となっておりました。最終的な参加人数は401名でした。
  会員企業の用意したパンフレットや小冊子は休憩時間を過ぎる頃にはほとんど配布終了となっており、この分野に対する関心の高さが伝わると同時に、情報交換及び技術紹介や発信の場として今後のセミナー活用の有用性を垣間見ることができました。

3.開催の内容
  当センター大林重信専務理事の挨拶に続いて、各演者により15分の発表が次々と行われました。演者氏名と発表タイトルは下記の表通りです。
  数ある発表の中には実在するサイトの浄化の進行の様子を写真等をまじえて報告するものが多数あり、分かりやすいプレゼンテーションが目立ちました。またポスター発表会場の併設によって各種の浄化技術の詳細をもっと知りたい人にも十分な情報収集の機会が出来たことと察します。

4.おわりに
  前述したとおり、このセミナーは土壌汚染対策の技術を、一般の方に知ってもらうことに主眼をおいて開催されました。本セミナーの盛況ぶりを見ると、発表する側にも、一般からの参加者が理解しやすい形で情報を発信する技術がより重要になってきた時代となったと肌で感じます。なお、セミナー終了後、記入いただいたアンケート結果では、おおむね好評な意見が多く、今後もご期待に沿えるよう心がけていきたいと思います。

発 表 タ イ ト ル
企 業 名
1  周辺環境に配慮した掘削除去対策技術
大成建設(株)
2 フェントン原位置浄化技術とその実施
(株)アイ・エス・ソリューション
3 ダイオキシン類・揮発性有機化合物等による汚染土壌対策工事の施工報告
五洋建設(株)
4 MIP(膜界面サンプリング分析)を使用したベンゼン・油汚染地の評価と
  原位置浄化設計への適応

(株)インターナショナル・サーボ・データ
5 バイオパワーを生かしたEDC注入工法
新日本グラウト工業(株)
6 「電解還元法」(重金属汚染土壌オンサイト浄化対策技術)
(株)荏原製作所
7 ウォータージェットを用いたVOC原位置浄化技術
鹿島建設(株)
8 原位置浄化技術と化学的手法による土壌・地下水の浄化
清水建設(株)
9 土壌汚染リスク スクリーニングサービス
アジア航測(株)
10 重金属汚染土壌浄化技術
スミコンセルテック(株)
11 重金属等汚染土壌の加熱処理技術
東亜建設工業(株)
12 射撃場環境対策工事
前田建設工業(株)
13 原位置浄化技術による操業中工場の浄化対策
栗田工業(株)
14 土壌汚染リスク評価システムを用いた環境リスク評価
国際航業(株)
15 ファイトレメディエーションによる油汚染土壌の油膜・油臭対策技術
中外テクノス(株)
16 油汚染土壌のバイオ処理促進工法「バイオヒートパイル工法」
(株)大林組
17 オンサイト浄化技術(ダイオキシン類・PCB・VOC汚染土壌対策技術)
(株)竹中工務店
(株)竹中土木
18 ゴミ由来の土壌・地下水汚染の浄化工事事例
東急建設(株)
19 重金属および油複合汚染土壌の調査・浄化対策
同和鉱業(株)
20 油汚染土壌・地下水浄化対策のトータルコンサルティング
     〜高精度な現地スクリーニングに基づいた最適対策工の選定〜
明治コンサルタント(株)
21 バイオ法による揮発性有機化合物の浄化技術
松下環境空調エンジニアリング(株)
22 土壌・地下水調査対策技術(VOC・油汚染に対する浄化技術)
前澤工業(株)
23 NOK(株)湘南開発センターにおける広域・短工期バイオレメディエーション
興亜開発(株)
24 油等による汚染土壌・地下水の浄化技術
(株)NIPPOコーポレーション