土壌環境ニュース44号　環境省挨拶

～環　境　省　新　年　挨　拶～

環境省　水･大気環境局
水環境担当審議官
坪香　伸（つぼかしん)

坪香　伸　プロフィール
平成 16年１月国土交通省河川局河川環境課長
平成 17年８月環境省環境管理局水環境部長
平成 17年 10月現職に就任

　新年明けましておめでとうございます。
　社団法人土壌環境センターの会員各位におかれましては、日頃から土壌･地下水汚染対策をはじめ、環境行政に対し一方ならぬ御支援･御協力を賜り、厚く御礼申し上げます。また、本年はセンター創立10周年の節目の年であります。重ねてお慶び申し上げます。
　平成18年の年頭にあたり、来年度予算（案）に盛り込まれた土壌環境･地下水汚染に関する新たな施策等を含め、環境省の今後の取り組みについて御紹介したいと思います。
　まず、土壌環境行政については、「安全で安心できる土壌環境作り」をキャッチフレーズとして、今年度内に策定する予定の「油汚染対策ガイドライン」のフォローアップのための事業、優良な土壌環境事業者の評価基準作り、農用地土壌汚染やダイオキシン類に関する簡便かつ経済的なスクリーニング試験手法の評価検討調査等に新たに取り組むこととしております。
　また、市街地土壌汚染防止対策の一環として、昨年度から着手している射撃場の鉛汚染の対策に係るガイドラインの策定や土壌汚染が懸念されることにより土地利用が進まない、いわゆるブラウンフィールドに対する対策手法のための検討調査、土壌中有害物質の自然汚濁量の把握を目的とした土壌環境モニタリング事業等を行うこととしております。
　更に、東京都北区の大規模なダイオキシン類土壌汚染事例に対応するため、ダイオキシン類土壌汚染対策補助事業についても大幅な増額を図っております。
　次に、地下水･地盤環境行政に関しましては、都市部のヒートアイランド対策の一環として、都市内の小河川や水路等の植生護岸化や大気との接触水面の拡大による効果を検証すること、地下湧水等を活用した路面散水等の対策技術の効果を地盤環境保全も含めて総合的に評価すること、地下熱を利用したヒートポンプ等の効果を地盤環境への影響も含めて総合的に検証すること等の事業に取り組むこととしております。
　土壌汚染対策法が施行されてから約3年が経過し、法に基づく対策も着実に推進されてきているところでありますが、環境省では、本年も、法の的確な運用とともに、先に述べたような新しい施策にも積極的に取り組んで行きたいと考えております。
　そのためには、これまで以上に貴センター及び会員企業等の皆様方の御支援が不可欠であると考えておりますので、従前にも増した御協力を賜わりますようお願い申し上げますとともに、会員の皆様方にとって本年が良い年になりますことを祈念して年頭の御挨拶といたします。