〜 新 年 挨 拶 〜

野村 哲也




社団法人土壌環境センター 会長  野村 哲也

  あけましておめでとうございます。
  昨年の我が国経済は、民間設備投資の増加や企業の収益改善を背景として、ゆるやかな回復を示してきました。この傾向は、今年も引き続き継続するものと考えられます。
  さて、平成15年2月の土壌汚染対策法施行以来、土壌・地下水汚染に関する社会の理解は格段に高まり、幅広い環境分野の中にあっても土壌環境分野の市場拡大に伴う当センターの社会への貢献は、益々拡大しているものと確信しております。
  このことは、センターが平成14年度から会員企業にご協力をいただき、実施している「土壌環境汚染状況調査・対策工事のアンケート結果」でも示されております。
  アンケート結果における調査・対策工事は、土壌汚染対策法の法第3条、法第4条、及び条例対象と事業者が自主的に行ったものですが、平成14年度からの3カ年を比べてみますと、調査件数は14年度2,731件、15年度4,281件、16年度6,480件と3年間で2.4倍に達しています。同様に対策件数も14年度693件、15年度897件、16年度1,869件と2.7倍に大きく増えています。調査・対策を併せた受注高をとってみましても、14年度553億円であったものが、15年度729億円、16年度には935億円と1.7倍に着実な増加傾向を示しています。
  ところでこの2月には、土壌汚染対策法が施行されて満3年になります。
  法の着実な浸透に伴ってセンター活動も法整備のための調査・研究から、法施行の下での新たな調査・研究が進められてきております。これらは、センターの中核事業である本年度の請負事業でも窺うことができます。
  その概要を紹介しますと、まず『油汚染対策ガイドライン』、次に『ブラウンフィールド対策手法検討調査』、それに『自然汚濁レベルについてのモニタリング手法検討調査』等が代表的なものです。
  これらは、日本経済の回復に伴って活性化しつつある都市の再開発や不動産の流動化にも非常に関りの深いものであり、着実な検討や新たな提言に基づく施策への展開が期待されている事業と考えられます。
  今後とも社会の要請に応えて、着実に業務を遂行して行きたいと存じます。
  さて今年は、当土壌環境センター設立10周年を迎えるという、記念すべき年です。4月14日には記念式典、及び養老孟司先生や石川英輔先生による記念講演などの開催を予定しており、関係者一同、鋭意準備を進めているところです。実りある行事としたいと考えております。
  最後に、役職員一同、土壌・地下水汚染対策に関する活動の一層の推進と土壌環境センターの発展のため、決意を新たにして取り組む所存です。会員のみなさまには、従来にもましてご支援を賜りますようお願い申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。