広報分科会よりのメッセージ



  2月16日に京都議定書が発効しました。これによってCO2排出量は、90年比6%の削減目標の達成を求められることとなります。削減義務の各企業への割当、環境税、排出権取引等々の削減へ向けた制度作りもこれからが本番となるようです。
  家庭やオフィス等の民生部門のCO2排出量増加という事実を受けて、政府が検討中の「京都議定書目標達成計画」では、産業部門の削減目標をこれまでのマイナス7%から8.6%へ引き上げることとなるようです。今後はさまざまな側面でCO2の排出量が企業活動へ大きな影響を与えることは間違いないといえます。
  また、数年前よりわが国でも企業の社会的責任(CSR:Corporate Social Responsibility)に対する取り組みに注目が集まるようになってきました。CSRでは環境問題だけでなく、法令順守、企業統治、雇用問題、顧客対応、取引先との関係といった企業が係る全ての関係者(ステークホルダー)との適正なあり方にまでその取り組み範囲が拡大され、市場からの監視を受けることとなります。CSRの考え方の中では環境問題は多くの取り組み対象の中の1つに過ぎないのです。
  更に、CSRの考え方と重なるところがありますが、昨今では企業のリスクマネージメントの強化が盛んに言われています。法令違反による企業価値の毀損や企業そのものの消滅、個人情報流出による顧客離脱や補償費用負担といった事態が現実に起こっています。
  京都議定書の発効とほぼ時を同じくして、土壌汚染対策法も施行後2年が経過しました。環境問題の中の1つといえる土壌汚染問題や浄化ビジネスも、このような社会や企業を取り巻くより大きな枠組みで捉え直してみると、新たな打ち手やビジネスチャンスが見えてくるのではないでしょうか。
(広報・教育委員会 広報分科会)