新年明けましておめでとうございます。
(社)土壌環境センターの会員の皆様方におかれましては、日頃から土壌・地下水汚染対策をはじめ環境行政に対し格段の御支援、御協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
年頭にあたり、環境省の水・土壌環境関連の来年度予算(案)に盛り込んだ新たな施策を含めて、今後の取り組みのいくつかを御紹介したいと思います。まず、閉鎖性水域を中心とした健全な水環境の確保に向け、健全な生態系の再生と環境教育にも資するモデル事業を住民参加を得て実施するなど、湖沼環境保全対策を制度の見直しも視野に入れながら推進することとしています。そのため、平成17年度予算(案)において、「いきづく湖沼ふれあいモデル事業」、「湖沼流入負荷削減対策推進費」等を計上しています。また、硝酸性窒素による地下水汚染や、カドミウムによる農用地土壌汚染、鉛による射撃場の土壌汚染への対策等を進めることにより、水環境に係るリスク管理や、良好な土壌環境・地盤環境の保全を推進することとし、「カドミウム新基準対応費」、「射撃場の鉛汚染対策調査費」等の予算を計上しております。
なお、土壌汚染対策基金については、これまでの民間からの出えんが国からの造成額に及んでいないこと、未だ基金による支援の申請事例がないことから、来年度予算(案)の補助金計上額はこれまでほど大きくありませんが、基金の制度的な重要性に変わりはありませんので、今後とも基金への御協力を強くお願いいたします。
土壌汚染対策法が施行されてから約2年が経過し、法に基づく対策も着実に推進されてきております。本年も、土壌汚染対策法を的確に運用するとともに、先に述べたような新しい施策にも取り組んでいきたいと思っています。
ところで、昨年11月には土壌汚染とリスクコミュニケーションについてセミナーを開催し多くの方々の参加を得ました。このことは企業活動において情報開示の必要性、住民との信頼関係の構築といった観点からリスクコミュニケーションの重要性がますます高まっているものと認識しています。
本年においても土壌汚染対策法の円滑な実施を図るため、住民、事業者、行政等のすべての利害関係者が土壌汚染によるリスクに関する情報を共有するためのリスクコミュニケーション事業を引き続き実施するとともに、土壌汚染による生態系、生活環境への影響や実態の把握などを含めて、土壌環境保全施策の充実を図るための取組を引き続き進めていくこととしています。
以上申し上げましたように環境省としても今後とも土壌・地下水汚染対策の推進のため努力して参る所存ですが、その的確な実施のためには、本分野について豊かな技術的経験を有するセンター及び会員企業の方々の御支援が必要です。どうかこれまで以上の御協力を賜りますよう改めてお願い申し上げる次第です。
最後に、会員の皆様方にとって本年が良き年になりますことを祈念して年頭の御挨拶といたします。
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