編 集 後 記


  近頃、レコードに少々入れ込んでいます。古いレコードプレーヤーを、手作りの管球アンプ(実は借り物です)を通して、小さなバックロードホーンスピーカー(半自作です)につなぐ。これだけです。狭いアパートの一室。それも大半は夜のことですから、小音量でひっそりと聞きます。スイッチを入れると2本の真空管がボーっと赤く灯り、おもむろにターンテーブルがまわり始める。そっと針を載せます。すると、スピーカーの間からふわっと音が立ち上ってくる。月並みな表現ですが、何か背中がゾクッとするような快感です。特にヴォーカルがいい。こんな楽しみ、夜を持て余している中年の単身赴任男の特権(悲哀?)かもしれませんね。

(広報分科会 荒井 正)