- 浄化土壌の再利用調査研究部会(第1調査研究部会)
標記の調査研究を命題とするこの研究部会は25名のメンバーにより組織されており、本年度は「重金属に係る汚染土壌の再利用等に関わる浄化工事ガイドラインと解説(案)」を作成することとした。
有機塩素系化合物については次年度に実施する。
本研究会の活動は、昨年8月7日の第1回総会以来、12月26日の第4回総会まで月1回の割合で総会を行い、その間に幹部会及び各小部会が活動してきた。また多方面から関係する知見を収集する目的で、鳥取大学の清水助教授による埋設農薬調査及び撤去作業について、大同特殊(株)の金藤部長による一般廃棄物の溶融スラグ再利用のガイドラインの各行政の検討状況についての講演・勉強会を実施した。この間部会メンバーの活動は積極的で順調に進んでおり、次年度の協力もここでお願いした。また各メンバーにインセンティブが得られるよう当センターの支援をお願いする。
- 汚染土壌対策上のリスク管理手法調査研究部会(第2調査研究部会)
当部会の活動目的は、環境庁より示された「有機塩素系化合物に係る土壌・地下水汚染調査・対策暫定指針」をもとに実際に浄化対策に関係される方々の実践的な参考資料となるよう、浄化方法・運転管理・モニタリング等についてのガイドライン及び解説を取りまとめるものである。
活動は、次ぎの3つのワーキング・グループを編成して、テーマ毎に具体的な調査・研究を行い、報告書の原稿を作成した。
第1グループ:土壌ガス吸収法とその管理指針
第2グループ:地下水揚水法とその管理指針
第3グループ:土地掘削法とその管理指針
報告書の作成に当たってはできるだけ具体的数値をあげ、実用的なものになるよう努めたが、技術的にみてなお発展途上であり、技術の選択や方法を具体的に一元的に示すことは困難であったので、各技術の特徴や手順や留意点等についてできるだけ詳細に解説することに重点を置くことにした。
今後の課題は、本報告書をより利用し易いように、法制度の整備や技術の進歩や次第に増えてくる事例等に合わせた見直しをすることで、当面の課題をしては次ぎの2点が考えられる。
- 浄化対策終了評価法
- 浄化終了後の監視方法
- 小型モデルによる土壌中の汚染物質の形態・挙動調査研究部会(第3調査研究部会)
土壌が「土壌汚染に係る環境基準」(溶出量値T)を満足するとしても、その後の環境条件の変化によって当環境基準を上回ることが懸念される。重金属の含有量についうての参考値が規定されているが、含有量値と溶出量値との関連は明確ではない。
そこで当研究部会では、国内の汚染土壌を採取し、重金属等についての次ぎの調査を行うことを目的として活動している。
- 環境庁告示第46号に定める方法によって測定される重金属等の溶出量値と含有量値
- 数種類の溶媒を用い、段階的に溶出された場合の重金属等の溶出量
平成8年度は、カドミウム、鉛、6価クロム、ヒ素、水銀、アルキン水銀、セレン、銅、亜鉛に関する国内外の文献を調査した。そしてこれらを基に次年度の実験計画を作成した。
- 現場簡易分析法調査研究部会(第4調査研究部会)
簡易分析法の現場における運用実態について調査している。
- Aグループ:重金属、PCB、TPH
- Bグループ:VOC
に分かれて文献調査を中心に情報収集中、Aグループは国内外で10件弱、Bグループは同様に20件強を入手、1件毎に運用実態調査表にまとめる予定。運用実態調査から得られた範囲でサンプリングや結果の信頼性などについても検討する。
- 最新の各種汚染土壌浄化プロセスの適用性調査研究部会(第5調査研究部会)
国内外の実用化レベルにある各種の汚染土壌環境プロセスの適用性について調査を実施、3月年度末完了の予定である。
- 目的
各種の浄化プロセスの適用性について会員相互の共通認識をもつための調査。但し、異種プロセスを組み合わせた浄化システムの適用性ではなく、ユニットプロセスとしての適用性を調査するものである。
- 調査方法
会員への実用技術アンケート調査結果とUSEPA/SITE95などの情報を中心に調査する。
- 目標(成果物)
@)土壌浄化プロセスの適用性マップ(カラービジュアルマップを予定)
A)適用性マップの分類別浄化プロセス(生物的、物理化学的、熱的、固化・安定化、その他浄化プロセス)の適用性を文字/数値で判断できるシート
B)前記@)、A)のテクニカルバックデータ集
- 資格制度・教育内容調査研究部会(第6調査研究部会)
国内外の資格制度の調査を主テーマとして活動中。
- 資格・教育制度の必要性について意見交換、認識。
- 「国家資格」「協会・団体資格」「民間資格」の中から21件を抽出(国内)
1月末ヒヤリング完了。
- ヒヤリング結果に基づき資格制度の枠組みについて討議
法律による資格制度の創設の必要性を認識。
- 96年度報告書取りまとめ中。97年度に海外の資格制度の調査実施。
- 地下水汚染対策調査研究部会(第7調査研究部会)
中小企業を対象に、特にクリーニング事業者等が理解しやすい「調査・浄化対策手法」等を内容としたマニュアルを策定した。
- 地下水汚染対策に係る海外文献調査等研究部会(第8調査研究部会)
(環境庁受託調査研究)
- 目的
@)地下水の環境基準策定、A)汚染地下水の浄化対策、B)今後の関連法体制確立、などに資するために、オランダ、デンマーク、イギリスについて地下水汚染浄化対策を調査研究する。
- 調査内容
上記3カ国における下記の課題事項に関する情報を調査する。
@)地下水汚染の実態
A)地下水関連諸法令
B)地下水浄化関連技術
C)地下水環境基準
D)汚染地下水に関する訴訟事例
E)その他関連情報
これらと国内の現状を比較する
- 成果物
上記課題の調査結果をまとめて、環境庁に報告する。
- 汚染地下水・土壌の浄化装置に関する技術検討調査研究部会(第9調査研究部会)
地下水揚水爆揮処理法で発生する排ガスを処理している活性炭吸着装置を主体とした現況を把握するため地方公共団体の事例と当センター会員へのアンケートにより得られた事例情報を対象にとりまとめ中。気液分離、爆揮装置、活性炭吸着装置等についての収集事例の一覧、各装置の設計諸元や運転管理上留意点について報告予定。