広報分科会よりのメッセージ



  旧日本軍の化学兵器に由来すると推測される神栖町の地下水汚染問題。有機砒素による高濃度な地下水汚染が確認されている。原因究明の為の調査が進められる中、国から被害者に対しての支援策が打ち出されました。健康被害として実害が生じている以上、救済が最優先されるのは当然ですが、汚染責任の所在が不明の状況で、実質的に過去の被害も加味した支援策がこの様な速さで実現したのは極めて異例のことだと思われます。仮に原因が戦争被害であったとしても、国家賠償となれば難しい問題と聞きますし、そこには関係者のご尽力が窺い知れます。
  様々な要因での環境汚染事例が頻繁に判明するようになった現代。その問題の解決に当たっては、たとえ応急措置ではあったとしても、先ずはスピードが強く要求されます。土壌という重要な環境媒体を対象として調査・対策の実務を担う我々にとっても、スピード解決を実現するための日々の技術の研鑽と弛まない努力が強く求められていると言えるでしょう。本号が発刊される頃には原因究明が進み、神栖町の方々が少しでも安心できていることを望みます。
(広報・教育委員会 広報分科会)