新 年 挨 拶

         (社)土壌環境センター会長  岡安 誠

  明けましておめでとうございます。

  昨年5月に成立した土壌汚染対策法が、いよいよ本年2月15日に施行されることになりましたが、当センターは、会員のみなさまの協力を得て、これまでの自主事業で蓄積された研究成果をもとに、新法の円滑な施行に必要な技術的事項の検討などに積極的に協力してきました。

  今年は新法の施行という新たな展開に対応すべく、センターの事業活動を新たな視点に立って積極的に展開していきたいと思いますので、皆さまのご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

  いうまでもなく、土壌汚染対策は新法が施行される前から自主的に行われてきたわけでありますが、新法の円滑な実施と共に、その施行により対策のルールが明確化されることで、新法の対象とならない自主的取り組みがさらに促進されることが重要であると考えております。

  新法施行後の自主的取り組みの分野として、新法が適用される状態に至る前に、新法に準じて、工場・事業場の周辺への土壌・地下水汚染の拡散の未然防止と工場・事業場敷地の土壌汚染による土地の資産価値の減少を未然に防ぐための対策があります。この自主的取り組みは工場・事業場の経営にとって大変重要なリスク管理であると思います。このため、当センターとしましては、新法への事前対応としての自主的取り組みを一層促進させるため、工場・事業場の担当者向けに設けられている土壌環境リスク管理者資格認定講習試験の活用を積極的に呼びかけていきたいと考えております。

  当センターが実施する資格認定試験は、新法の施行によりその役割は従前にも増して社会的責任を担うことになるという認識のもとに、当センターの資格制度への取り組みを明確にするため、従来の広報教育委員会の活動から発展的に独立した特別委員会へ改編され、さらには昨年の総会で組織規程の改正を行い、新たに4番目の常設委員会として資格制度委員会が設置されました。

  新委員会のもとで平成12年度から実施している土壌環境保全士の資格認定講習試験に加えて、昨年は新たに土壌環境監理士の資格認定試験と土壌環境リスク管理者の資格認定講習試験の2つの資格試験を開設しました。いずれも応募者が募集定員を大幅に上回ったことは、土壌汚染対策に関する豊富な技術的知見と経験を有する唯一の公益団体であります当センターへの信頼の高まりを示すものであり、資格制度の充実に向けて一層の努力を行って参りたいと思います。

  お陰様を持ちまして昨年1年間で会員数が131社から175社へと大幅に増加しました。これは新法の施行と相まって、当センターの活動に寄せられる期待の現れであり、改めてその使命の重さを感じております。

  職員一同、土壌・地下水汚染対策に関する活動の推進と土壌環境センターの発展のため、決意を新たにして取り組む所存であります。

  会員のみなさまには、従来にもましてご支援を賜りますようお願い申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。