明けましておめでとうございます。
今年は、会員のみなさまが切に望んでおられました土壌環境保全対策の制度化がいよいよ実現する年にしたいものであります。
環境省における検討も、昨年10月には中央環境審議会土壌農薬部会に「土壌環境保全対策の制度の在り方」について諮問され、新年1月には答申が出される予定といわれています。制度化が実現しますと、平成11年に環境省から出されました「土壌・地下水汚染に係る調査・対策指針および運用基準」が法的根拠を有したものに改定されることになると思われます。その際にはセンター会員のみなさまがこれまで自主事業として取り組まれ蓄積された研究成果が、制度の適切な運用に欠かせない技術的知見として大いに役立つものと期待しております。
また、制度化が実現しますと、センターの平成13年度事業計画にあります自主認定資格試験(仮称:土壌環境保全士(技術関係))の実施につきましては、従前にも増して新たな責任を担うことになります。このため、昨年12月の運営委員会に諮り、広報・教育委員会のもとで活動してきました新資格検討委員会を、特別委員会として位置づけた資格制度委員会に発展的に改編することになりました。
当センターが現在、実施している資格には、現場で調査・対策を行う際の安全確保・周辺環境保全を目的とした土壌環境保全士(安全関係)の講習および認定試験がすでにあります。これは知識習得を目的としております。一方、これから実施する土壌環境保全士(技術関係)の資格試験の目的は、土壌・地下水汚染の調査から対策までに関して、技術者の技術的レベルを保証することにあります。土壌・地下水汚染の調査・対策の実務は、技術者個人の能力によるところも大きいため、技術者としての能力を客観的に示す資格については自治体からも要望が出ております。当センターの行う資格認定は、資格取得者のみならず調査・対策を実施する関係者との双方にメリットがあると考えております。
土壌・地下水汚染の調査・対策事業に関する技術的知見と経験を有する唯一の公益団体である当センターとしましては、独自の自主認定資格としてですが、土壌環境保全士(技術関係)の資格試験を実施して社会の要請に応えるべきであると考えています。
ところで、上述のようにセンター業務が活発化し、事務局業務も増加・多様化している中では業務の継続性と円滑な運営には、今後益々弾力的な組織とする必要があると考えます。
そこで、現在のセンター事務局は総務部、技術部、調査企画部の3部体制ですが、将来的には総務部と事業部(仮称)の2部制として、事業部に若干名の部長を置き、その下に主席・主任研究員を配置した体制を想定して事務局運営を試行していきたいと思います。
お陰様を持ちまして当センターにあっては、会員数が130社を超えるまでに成長しました。これは制度化の動きと相まって、土壌・地下水汚染対策に対する関心の高さと、当センターの活動に寄せられる期待の現れであり、改めてその使命の重さを感じております。
職員一同、土壌・地下水汚染対策に関する活動の推進と土壌環境センターの発展のため決意を新たにして取り組む所存であります。
会員のみなさまには、従来にも増してご支援を賜りますようお願い申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。
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