明けましておめでとうございます。
(社)土壌環境センターの会員の皆様方におかれましては、日頃から土壌・地下水環境保全のために御尽力いただき誠にありがとうございます。
私が水環境部長に就任して早くも1年が経過いたしました。皆様のご支援もあり、この1年間を何とか無事に乗り切ることができたのではないかと思っております。
さて、昨年を振り返りますと、9月に(社)土壌環境センター、(社)日本産業機械工業会、日本産業洗浄協議会、日本工業新聞社の共催で、開催された「2001地球環境保護 土壌・地下水浄化技術展」を視察させていただきました。3日間で5万人を超える入場者があったとのことで、その盛況ぶりにあらためて最近の土壌環境保全対策への関心の高さを実感したところであります。
一方、土壌環境行政に目を向けてみますと、近年、市街地等において土壌汚染が判明する事例が増加し、土壌・地下水汚染に対する社会的関心が高まってきております。これに関連し、適切な調査手法の在り方や汚染土壌の処理費用負担の明確化等、対策を有効に推進するための制度の構築を求める声が一段と強くなっております。このような状況を受けて、土壌環境保全対策のために必要な制度の在り方について、幅広く調査・検討を行うため、法律、対策技術等の専門家、地方公共団体の担当者等から構成される「土壌環境保全対策の制度の在り方に関する検討会」を一昨年12月から設置し、土壌環境保全対策の制度の在り方について9回にわたり検討を行ってきましたが、9月にその成果が取りまとめられ、「土壌環境保全対策の制度の在り方について(中間取りまとめ)」として公表いたしました。
この中間取りまとめでは、土壌汚染による環境リスクに着目し、汚染された土壌を直接摂取することによるリスク、地下水等の汚染を経由して生じるリスクを対象とし、土壌汚染の実態を把握するため及び近隣で地下水汚染が発見された場合に土地所有者が調査を実施することとされております。この調査により環境リスクの管理を図るべき土地であることが判明したときは、人への健康影響が及ぶことを防止するため、土地所有者等が土地の利用状況等を踏まえ適正な手法を選択して環境リスクの低減を実施することとされております。また、土壌汚染の調査、リスク低減措置等を推進するための支援措置等の必要性についても検討されております。
10月にはこの中間取りまとめを踏まえ、現在、「今後の土壌環境保全対策の在り方について」を中央環境審議会に諮問し、御議論をいただいているところであります。
中央環境審議会では、土壌農薬部会の下に土壌制度小委員会を設置し、今後の土壌環境保全対策の在り方について、対象とする土壌汚染、土壌汚染の把握、土壌汚染による環境リスクの管理、支援措置等について取りまとめた小委員会としての考え方の案を年末に国民の皆様に提示して、パブリックコメントをいただいており、いただいた御意見も踏まえて答申がとりまとめられることとなっております。
環境省といたしましては、その結果を踏まえ、新たな土壌環境保全対策の法制度の構築を目指していくこととしております。
(社)土壌環境センターの会員の皆様におかれましても、土壌・地下水環境保全行政の推進に関する更なる御理解と御協力をいただきますよう心からお願い申し上げます。
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