第4回国際土壌・地下水環境ワークショップ (IWGER2001)開催報告 |
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第4回
国際土壌・地下水環境ワークショップは、去る1月19日に東京商工会議所(東商ホール)にて、土壌環境センターの主催で開催された。プログラムのテーマは、21世紀の幕開けにふさわしい「21世紀を迎えての土壌環境の課題」と題して、日本・オランダ・米国・ドイツから6名の講師陣による講演ならびにパネルデイスカッションが行われた(下表参照)。このワークショップには産学官から延べ600名余の参加があった。 はじめに、(社)土壌環境センター岡安誠会長から「当センターは平成8年に発足、105社の会員企業を擁する環境省主管団体として、21世紀のテーマにふさわしい有意義のあるワークショップを期待する」との開会挨拶があった。 |
引き続き、環境省石原一郎水環境部長から21世紀を迎えて「わが国の汚染の未然防止・保全の推進と体系のまとめ、土地利用の改変と市街地土壌汚染への対応などについて欧米諸国との情報交換を大いに推進することを期待する」との来賓挨拶があった。発表内容の要約は下表のとおりである。 最後に、センター美坂康有常務理事から「本日の成果が参加各位の今後の活動に役立つことを期待するとともに、センターとしてこれからも海外諸国との交流を一層図っていきたい」との締めの言葉で盛況裡にワークショップを閉会した。 |
発 表 者 名
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表 題
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要 約
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伊藤 洋 環境省水環境部 土壌環境課長 |
我が国における土壌環 境に関する課題について |
市街地土壌汚染問題への対策の取組みと土壌環境保全対策の制度の在り方についての検討を推進することである。 |
Harry Vermeulen オランダ土質管理センター 常務取締役 |
オランダおよび欧州に おける土壌品質管理の発展 |
土壌品質管理の需給サイドを代表する官民からなる財団がある。費用対効果や汚染技術知識の啓発・伝達、土壌の用途や機能に適した土壌品質を改良し維持するものである。 |
Edward S, Alperin 米国ITコーポレーション 副社長 |
米国におけるダイオキ シン汚染土壌の環境修復 |
ダイオキシン汚染土壌の処理方法や処理技術は単一ではない。各サイト情報に見合う処理方法(焼却、抽出、光分解、安定化/単離、物理化学的工程等)の組合せ技術を開発して注意深く実施している。 |
Manfred Ried ドイツ ミュンヘン ビジネスユニット マネジャー |
ドイツにおける汚染土 壌処理−ダイオキシン とその他の汚染物質の役割 |
汚染土壌の処理はオフサイト処理とオンサイト処理で行っている。前者は汚染土壌を掘削により取除いて、サイトから離して遠隔処理(物理化学的工程・焼却・安全な場所への保管)する。後者は汚染土壌の表層土を取除いて裏張り(ジオテキスタイルとポリエチレン膜)を施した上で新鮮な土壌で埋め立て汚染物質の移動を防止する。 |
橋爪 伸夫 セイコーエプソン(株) 取締役 |
セイコーエプソンにおけ る土壌・地下水汚染浄 化への取組と原位置 酸化分解法による揮発性有機化合物の浄化事例 |
10事業所で、土壌ガス吸引、吸引ガス活性炭吸着処理、地下水揚水曝気・揮散処理、汚染土壌掘削処理、バリア井戸の設置や揚水による拡散防止対策を実施した。さらに、米国などで短期浄化手法として注目されている原位置酸化分解法(過マンガン酸カリウム等の酸化剤を使用)を導入して短期間でトリクロロエチレンで汚染された地下水を環境基準値以下まで浄化することができた。 |
柴田 伸幸 名古屋市環境局 公害対策課長 |
名古屋市における化学 分解法による揮発性有 機化合物の浄化事例 |
化学分解法(金属鉄粉と骨材を調合した反応材を汚染帯水層に杭状に充填し、水平方向の地下水の流れや物質拡散によって杭の周囲の汚染地下水を浄化する手法)を用いて浄化実証試験を行い、高濃度のトリクロロエチレンで汚染された地下水の浄化が可能であることが実証できた。この手法は揚水曝気法に比べて浄化設備のスペースや維持管理が不必要な利点がある。 |
パネルディスカッション 司会:今村 聡 (土壌環境センター) パネリストは上記メンバーによる |
土壌環境の規制の方 向と対策の課題 |
会場からの質問を受ける形で行なわれ、浄化が進められる際の住民側、規制側、汚染原因者の意思決定にいたるプロセス、浄化対策の適正なコストと浄化目標、ダイオキシン対策の我が国の現状等多岐にわたった。 討議のなかで、オランダ、米国、ドイツにおけるものの考え方、コスト意識、日本の現状に対する雑感が垣間見え興味深かった。 |
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