(社)土壌環境センター設立趣意書をあらためて記載します。
環境要素の中でも、「土壌」は、大気、水と並んで重要なんものであり、人を始めとする生物の生存基盤として、また、物質循環や生態系の維持の要としての役割は他に類をみないものである。
また、土壌は極めて長い年月にわたって育まれた貴重な環境資源であり、今日、社会経済活動を営む我々にとってその機能に不可逆的な障害を与えないよう最大限に配慮することは、将来の世代に対する義務である。
しかるに、近年、工場及びその跡地等において汚染された土壌やそれに関係する地下水の汚染等の存在が明らかになる事例が増加しており、土壌の果たしている重要な環境上の機能や貴重な水資源として地下水の重要性に鑑みれば、汚染の未然防止とともに、汚染の浄化に対する取組みを強化することは、極めて重要な課題であると考えられる。
以上のような認識のもとに、平成4年度より、土壌汚染対策に関心を有する企業が度所環境浄化フォーラムとして集まり、欧米諸国の土壌汚染に対する調査・対策技術や制度等について調査研究を行ってきたところである。
今般、土壌環境保全についての啓発や土壌・地下水汚染の調査・対策技術の開発等の一層の推進を図るため、土壌環境浄化フォーラムの組織を拡充発展する方向で、社団法人土壌環境センターを設立し、国、自治体と協力して市街地土壌汚染対策を推進しようとするものである。
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